2008年2月15日
「民主党・生物多様性基本法案(仮称)」に対する意見書
野生生物保護法の制定をめざす全国ネットワーク
私ども野生生物保護法制定をめざす全国ネットワークは、1999年の鳥獣保護法「改正」時以来、一貫して包括的な野生生物保護の法制度確立に向けて活動し、市民提案「野生生物保護基本法案」を提出してきたところです。
今回、民主党から出された「生物多様性基本法案(仮称)」は、私どもが提案してきた法案とは異なるものですが、昨年度の第3次生物多様性国家戦略の閣議決定、本年5月にドイツで開催される生物多様性条約締約国会議COP9、7月のG8洞爺湖サミット開催、また、2010年における生物多様性条約第10回締約国会議COP10
の日本招致という背景のなか、これまで省庁間の縦割りなどの弊害で遅々として進まなかった自然環境保全、野生生物保護の前進を、法の方向次第では促すことができる可能性も含んでいるものと期待します。
民主党における生物多様性の保全への真剣な取り組みを評価し、実効性のある生物多様性確保の法律制定を希望し、以下の要望を提出します。
記
・生物多様性条約に記載されているように、「生物多様性が地球の歴史の中で誕生したかけがえのない存在であるという価値(存在価値)」を法律に明確に位置づけること
・「生物多様性の保全」は「持続可能」であることという意味を有しているので、案文中の「生物多様性の保全及び持続可能な利用」という言葉を」「生物多様性の保全に基づく持続可能な利用」とすること
・事業計画の立案の段階における環境影響評価の推進(これを評価しつつ)に、行政各部署が評価の基準として「生物多様性の確保」を入れること
・過度の開発による生物多様性の喪失を防ぐため、事業の許認可における制限を明示すること
・野生生物の適正な保護の「適正」という曖昧な言葉をとり、野生生物の包括的な法制度の確立を挿入すること
・諸施策の策定における科学性をはかり、情報公開、透明性を確保すること
・諸施策の策定、実施、評価等のあらゆる段階で市民参加を担保し、きめ細やかな合意形成を旨とすること
・ 生物多様性の確保をはかるために、関連する法律の整備を行うこと
以上
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